鋼の錬金術師

ダークファンタジーの傑作といえば、鋼の錬金術師がその1つに挙げられると思います。死んだ母親を生き返らせようとする禁忌を犯してしまったエルリック兄弟はその代償として身体を部分的に失います。失った身体を取り戻す為に、賢者の石を求めて旅をします。


以下はネタバレを一部含む個人的な感想です。見たくない方はブラウザバック推奨です。





登場人物達は魅力的な人が多いです。特に好きなのはグリードです。主人公の敵として現れる人造人間、ホムンクルスの1人です。強欲という性質から、自分の欲望に忠実です。そのため、ホムンクルスから脱退し、自由奔放に生きようとしました。

ホムンクルス勢力に連れ戻され、記憶を失います。その後、かつての仲間を自分の手で殺してしまいます。そして消えた記憶がフラッシュバックし、改めてホムンクルス勢力と敵対します。


自分のやりたい事に忠実な所と人情深い一面がある所が良いなと感じますね。また、周囲の人達との関わりの中で、価値観が少し変化していくような成長する姿もみられました。100年前にホムンクルスの集団から抜け出して、気の合う仲間を集めていきました。そして、連れ戻され記憶を失い、再び記憶を取り戻しました。ホムンクルスと敵対する道を選ぶ事と新たな仲間と一緒に闘うことになったのです。

それを考えると強欲のグリードが欲していたのは、お金、地位、名誉といったものから、向き合う事のできる本当の仲間になったのかもしれませんね。優先順位みたいなものが。


痛みを伴わない教訓には意義がない
人は何かの犠牲なしに何も得る事などできないのだから


鋼の錬金術師の冒頭でこのフレーズが出てきます。失敗やうまくいかないことで立ち止まりそうになった時に思い出します。今まさに学んでいる瞬間なのだと。また、グリードの生き様からは、時に人間不信のようになったとしても、いつか人を拒絶しない、周りと関わっていく選択ができればきっと大きな間違いは無いのだと、そんなふうに思っています。

日常や写真の記録

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